ネジ・ボルトにおける ロック加工の種類とロック剤
事前にネジの緩み止めコーティングをする工法を総じて「ロック加工」「プレコート加工」などと呼びますが、各メーカーにより様々な種類が存在します。(例:スリーボンドでの総称はプレコートボルト加工で、その中にスリーロック加工やメック加工があります)
一般的には「半永久型」「繰り返し型」「漏れ防止のシール型」の3種類に分かれます。
★年々新たなアイテムが登場していますので、詳しくはご相談下さい。
半永久型ロック加工(ロックタイト・メック・ドライロック等)
化学反応利用型。接着剤で固めて固定すると考えるのが近い。
- 空気が遮断、嫌気性接着剤を固着剤としてマイクロカプセルに入れてある。
- 雄ネジと雌ネジの 嵌め合わせ部分を接着剤で固める。シール効果も生まれる。
- ロックの強度を高強度・中強度・低強度などいくつかに分けてあり、色分けしたりしているがメーカーごとに色がまちまちで共通性はない。
- 外さない場合は高強度、取り外しすることもある場合は中強度、取り外しを必ず必要とする場合は低強度、といった具合に使い分けるとよい。
繰り返し型ロック加工( エフロック・スリーロック・ナイロック・アロック)
未反応樹脂利用型。雄ネジ部分に特殊ナイロン樹脂を融着させる。
- 特殊ナイロンの強力な弾性反発力により摩擦保持力を発生させ、緩み止め効果を得る。
- ナイロンナットの緩み止め方法と同じ要領と考えるのが近い。
- 繰り返し使用できる。
- 大きな径のネジでは一部分のみのロックで問題ない (全周にわたるロックは必要ない)。
- 調整に便利。
- 隙間がないのでシール効果がある。
- 植物由来の樹脂使用で安全安心(アロック)
漏れ防止のシール型( ドライシール・シーロックなど) ロック加工
未反応樹脂利用型。シールテープの代わりと考えた方が良い。
- ネジ部分に樹脂を融着させる。
- ねじ込むと雌ネジによって樹脂が整形され、密着した状態になる。このため振動などに対して緩みにくくなる。
- ただしあくまでも漏れ防止のシール効果をメインの用途とした方がよい。
- 耐水、耐油、耐薬品性あり。
適用例:シールねじ